契約書について Ⅱ

2013-10-30

昨日に続き契約書のお話です。昨日は契約書の重要性をお知らせしたつもりですが、伝わりましたか?

契約のもめ事は法人間だけでなく、個人間でも多数あります。仲の良い関係同志であっても、契約は関係なく、仲を裂いて行きます。でも考えてみると、そのもめごとの大半は聞いてなかった!書いてなかった!そんなはずじゃなかった!と当事者間の危機管理の欠如に基づいています。

一行書いていれば、もう少し詳しく書いていたら、わかりやすかったら、読んでいたら、などなど多数の後悔(まだ後悔で済めば良いですが…)と恨みつらみなどなどに変化してゆきます。昨日も述べたように契約書は相手・背景などで書き方や内容を吟味する必要があります。詳しいだけでは相手に負担与えるだけです。簡単な方が良い場合も結構あります。契約書もTPOが必要です。

さて今日は契約書の具体的な内容、専門用語等々のご説明です。

具体的な書面の記載に関して

  • 表 題 表題は自由。ただし、内容が具体化している方が良い。契約のタイトルで契約内容の効果は変わらない。題ではなく、中身が問題。一般的に、その契約の内容が書面に表示されていれば十分です。その内容、当事者等に合わせて表題は考えていく必要があります。
  • 念 書 念書とは、通常、一方の当事者が他方当事者に対して差し入れる形式をとりますが、相互記名押印の形式で作成する場合もあります。
  • 覚 書 覚書とは、通常、当事者間における簡単な合意の書面を指し、内容的には契約書に対して大方従たる関係にあります。通常次のような場合に利用されます。① 地代の額等契約の重要でない一部の変更 ② 正式契約前に一部合意した事項の確認 ③ 契約成立後一部条項の解釈上の疑義の明確化 ④ 細則の制定 ただし、表題通り、覚書であろうが念書であろうが法的効果に変わりはありません。
  • 当事者 契約の当事者は誰かがはっきりと表示されていることが必要です。特に間違いやすいのが、当事者が法人なのか個人なのかという点です。間違った場合、契約自体が無効になるケースもあります。
  • 前 文 前文は、その契約の目的、誰と誰の間で合意されたの表示です。前文は、契約書に必ず必要というものではありません。が、契約書を分かり易くするために記載されることが多いようです。
  • 目的・趣旨 契約書の第1条には「目的」という表題が通例です。契約内容を具体化する趣旨です。
  • 署名捺印・記名捺印 いずれも契約書上に当事者を表示する方法であり、その効力は同じです。法令上は署名が原則となっています。実務上は、「署名」のほかに「捺印」をするのが慣行となっていて、印鑑は実印であろうと、認めであろうと、一般的には問題有りません。法律上で実印捺印の必要ある場合のみ実印の効力となります。当事者の表示は、個人、代理人、会社、いずれの場合も特定しうる程度に明確であることが必要となります。また、署名とは、自分で手書した氏名のことです。これに対して、記名とはゴム印やワープロで記載された氏名のことです。法律の中には「署名もしくは記名捺印」という文言が出てきますが、これは、法律では、署名が原則で(その場合にはハンコは要らない)、署名に代わるものとして記名プラス捺印でよろしい、ということなのです。ただし、契約書の真偽が裁判で争われるような場合には、その契約書が作成者の意思に基づき作成されたかどうかが問題となりますが、そのときには、署名だけでなくハンコを押したことが重要な証拠となります。したがって、契約書作成の際には、必ず、署名捺印または記名捺印が必要と考えるべきです。できれば署名捺印の方が、本人の真正高いので署名捺印をもらった方がよいでしょう。
  • 当事者が個人本人の場合 当事者が個人本人の場合、その住所・氏名を正確に表示するのが原則です。会社人か個人本人の契約かを明確にする必要があります。不要な会社人の肩書を入れると誤解を生むので避けなければなりません。また代理人により行う場合には、本人の住所・氏名の後に「○○代理人」という肩書きをつけて、代理人の住所・氏名を記載して捺印します。このとき、本人の委任状及び印鑑証明を添付するとなお確実になります。代理人を標記しない契約は、本人に帰属されない場合もあります。
  • 当事者が会社の場合 当事者が会社の場合、会社の所在地を転載した後、会社の商号 、代表資格 、代表者の氏名 の3つを記載し、代表者印を捺印することで表示が完成します。契約の前にはその者に代表権があるのかを法人の登記簿等により確認しておくことが重要です。法務局で商業登記簿の確認が一番わかりやすい確認方法です。
  • 実印と認印 捺印の仕方には、契印、割印、訂正印、捨印、止印、消印があるが、署名または記名の下に押したのと同一の印を押します。会社では通常、代表者印、社印、及び銀行印を備えるます。印鑑には、自分の印鑑であることを市町村役所や登記所の印鑑証明書によって証明できる「実印」とそうした公的な証明を受けていない「認印」とに区別されます。しかし、両者の間には法的効果において何ら優劣はありません。認印であっても有効に契約は成立します。
  • 拇印と書き判 拇印や書き判には捺印としての効力はないが、意思の確認ついての効力はあります。拇印(指先に朱肉を附けて押し、文書に指紋を残すこと)や書き判(自分の姓や名、頭文字を手書きし、その字の周りを丸く囲んでサインすること)には捺印としての効力はないが、ある程度本人の意思表示があるものと見られます。特に、署名の後に拇印を押す「署名拇印」は極めて確定的な意思表示といえます。これに反して「記名拇印」は無効とされています(判例)
  • 契 印 契印とは、2枚以上にわたる文書が一体かつ一連の文書であることを明確にするために、各ページにまたがって押す印をいいます。ただ、袋とじにした文書では、綴り目にだけ押せばよいとされています。通常、契約当事者全員が押印します。
  • 割 印 割印とは、2つ以上の独立した文書の同一性(正本と副本)、関連性(印鑑簿と押印文書)を証明するために、2つの文書に1個の印を半分ずつ分けて押す印をいいます。
  • 訂正印 訂正印とは、文書を訂正したことを証明するため、訂正個所に2本線を引いて正しい文字を書き、欄外に何字削除、何字加入と転載した上押す印をいます。通常、契約当事者全員が押印します。
  • 捨 印 捨印とは必要に応じて訂正印に利用するために、予め欄外に押しておく印をいいます。あくまでも便宜上押しておくものですから、悪用される危険を避けるためには訂正のつど訂正印を押すのが安全です。最近の契約では捨印は押さない方が良いとされます。
  • 止め印 止め印とは、文書末尾に余白が生じた時に、「以下余白」と記載する代わりに押す印をいいます。余白の悪用防止のためです。最近は捨印同様、押さない方が良いとされます。
  • 消 印 消印とは、文書に貼った収入印紙と台紙にまたがって押す印をいいます。契約の場合は当事者双方が押印します。これは印紙の再使用防止のためですから、ペンなどで線を引いたりすることでもかまいません。
  • 会社の印 ① 代表者印 「代表者印」とは、会社設立登記の際に法務局に届けておく代表取締役の印をいいます。これが会社の「実印」になり、法務局から印鑑証明書の交付が受けられます。 ② 社 印 「社印」とは、通常、会社名をいれた角印をいいます。これが会社の「認印」となります。③ 銀行印 「銀行印」とは、取引銀行と当座取引するに当たり予め銀行に届け出た印をいいます。手形や小切手を振り出す時には、必ずこの銀行印が必要になります。
  • 収入印紙 契約書には、契約の種類と金額に応じて、印紙税法に定める収入印紙を貼付し、消印をする義務があります。これに反しても契約書の効力には関係なく有効です。ただ、税法上、印紙税額の2倍の過怠税を徴収されます。

以上のように同じ印鑑でも意味が色々あったり、書き方にも自由性があったりで、これを見ると余計に契約書がわからなくなりましたか?でも大丈夫です。今後何度かに分けてもっと詳しく契約書について発信してゆきます。

ですが、色々ネットの情報読んでも、自分の問題や不明点がわからない方は是非当事務所にご連絡ください。懇切丁寧に顧客の不安を取り除きます。

なお当事務所では来年の個人事業主の帳簿保存義務拡大に向けて、会計記帳サービスを始めました。ご興味ある方々は是非一度ご相談お待ちしてます。(会計記帳サービスはこちらへ)

Copyright© 2018 中玉利行政書士事務所 All Rights Reserved.|ログイン
Top